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銀閣寺、東求堂、同仁斎、そして四畳半。④

二つの作品を並べてみる。「京間と団地間ってこんなにサイズが違うんですね」と畳のサイズの違いを言いたいわけではない。右側の極端なまでに<昭和の四畳半の借家>の詳細を表現した作品が醸し出す「貧しい」「狭い」。四畳半一間に対する日本人の一般的な共通認識はあまり良いイメージではない。それは、言うまでも無く戦後、日本人が物質的な豊かさを追い求めたことに原因がある。その最たる目標が「広くて大きい持ち家に住むこ...

銀閣寺、東求堂、同仁斎、そして四畳半。③

畳シリーズからもう1点。『借家 高村邸 居間』 高村総二郎2009年 麻紙に岩絵の具、胡粉、墨、顔料、膠、アクリル樹脂 246.5x261cm【246.5x261cm】 団地間サイズ実寸。大学生がどこかの雑誌で見たような部屋をスマホで撮って<オシャレでしょ?「いいね」押して?>と下心丸出しでアップするのとは表現者として『業の深さ』が違う。どれぐらい違うかと言うと「マリアナ海溝」と「近所の水たまり」ぐらい違う。高村総二郎氏は自分...

銀閣寺、東求堂、同仁斎、そして四畳半。②

畳をモチーフにする日本画家がいる。それが高村総二郎氏である。『国宝 東求堂 同仁斎』 高村総二郎 2009年 麻紙に岩絵の具、胡粉、墨、顔料、膠、アクリル樹脂 285×285cm【285×285cm】京間サイズ実寸。四畳半サイズの麻紙を、岩絵の具を使って隅からカリカリと埋めていく。オッサンが1人でコレを描いている姿を想像すると涙を誘う。≪アートとは非生産的な物を金と時間と手間をかけて作ることである≫そう定義すると、この作品こ...

銀閣寺、東求堂、同仁斎、そして四畳半。①

世界遺産、慈照寺。銀閣寺の正式名称である。足利義政が文明14年(1482年)に建造した東山文化の象徴。そして、その敷地内に遺構として東求堂が存在する。持仏堂、東求堂。義政は浄土信仰の象徴として東求堂を建造し持仏堂とした。国宝指定。そして、禅宗様式の庭を周りにめぐらせたその建物の中にある義政の書斎、それが同任斎である。書斎、同仁斎。義政は武事よりも文事を好み、同仁斎で芸術三昧の日々を過ごしたと言われている。...

バナナの涙

先日、このような記事がアップされました。【 バナナ使わないで 伝説のバンドがウォーホル氏財団提訴 】1960年代後半~70年代に活躍した伝説のロックグループ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(VU)が12日までに、デビューアルバムのジャケットに使われたバナナの図柄を商業利用で使うことの差し止めなどを求めて、図柄をデザインした故アンディ・ウォーホル氏の関連財団を提訴した。「一度も商標登録されていない...